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2018 AUTUMN

オンドル国家指定文化遺産となる

韓国の伝統的な暖房方式であるオンドル文化が今年4月、文化財庁により国家無形文化財に指定された。間接輻射熱を利用して床を温めるオンドルは、西洋はもちろん隣国の中国や日本とも一線を画す独創的な暖房方式だ。

慶尚北道安東にある敬堂宗宅の客間。オンドル部屋のほとんどの床に韓紙を貼り、その上から大豆油を塗ってピカピカに磨き上げられている。家具はアグンイ(焚き口)に近いアレンモクではなく、火元から遠いところに置く。

中高年層以上の多くの韓国人はオンドルに対して同じような思い出を持っている。真冬に外からすっかり冷え切った体で帰宅すると、まず部屋の中でもアレモク(焚き口に近いところ)に寝転がり冷えた体を温めた記憶、遅く帰ってくる父のために夕飯が冷めないようにと、ご飯の入った茶碗を布団に包んでアレモクに大切にしまっておいた記憶-このような思い出の詰まったオンドル文化が国家無形文化財に指定されたのには、いろいろな理由がある。
朝鮮半島の新石器時代の遺跡にその初期の形態を見出すことのできるオンドルは、長い歴史を通して床に座って生活する韓国人の住居方式を決定づけた主な要因だ。有形のオンドルではなく、「オンドル文化」が重要無形文化遺産に指定された理由は、それが韓半島全域に今日まで伝わっている共同の生活文化だからだ。
オンドルの焚き口のある台所は、韓国人にとって特別な意味のある場所だった。そこは神を祀る祭壇であり、浄化の場所であり、家族の命をつなぐ食べ物を作り、寒い冬を暖かくしてくれる火のある場所だ。オンドルは昔から火を扱う技術に優れた韓国人が作り出した伝統住居文化の精髄だ。

焚き口と壁付暖炉
台所で火を扱うところ、薪をくべる穴がアグンイ(焚き口)だ。焚き口は壁付暖炉の入口のように火を焚く場所だが、壁付暖炉よりもはるかに複雑な構造と機能を備えている。壁つき暖炉は火をつけて室内の空気を温める。温かくなった空気は上昇し、壁付暖炉で燃えている火は室内の酸素を燃やし続けるので室内の空気は自然と濁ってくる。西ヨーロッパで壁付暖炉に煙突を初めてつけたのは13~14世紀、イタリアのベニスだったという。それ以前には、ようやく温めた空気を換気のために窓からすべて外に出さなければならなかった。

韓国の伝統家屋は、台所が主婦の部屋アンバンに隣接しており、台所のアグンイ(焚き口)で火を焚けば、熱い炎の熱気が床下に伝わり床を温めることになる。

煙突の無い家はヨーロッパだけではない。中国の伝統家屋にも煙突は無い。その代わりに火を使う空間の天井が高く、屋根の構造が簡単だ。直径10cmほどの丸太を一定に並べ、その上に瓦をのせた。火を使うと煙が高い天井の下に集まり瓦の間の隙間から外に出て行くが、その時に温かい空気も一緒に出て行ってしまう。大部分の地域で寒くても特に暖房をしない中国では、食べ物を調理するときを除いては火をつける理由はあまりなかった。床に畳みを敷いて過ごす日本の伝統家屋にも煙突は無い。
韓国のアグンイ(焚き口)は壁付暖炉とは違い、その中で部屋とつながっており、オンドルという暖房設備を備えている。オンドルは焚き口で焚いた火の熱気で部屋の床を温め、その熱が空気中に伝わり室内を温めるという輻射暖房方式だ。それに比べて 壁付暖炉は空気を直接温める対流暖房方式だ。それで壁付暖炉は部屋の床の上にあり、オンドルは焚き口が部屋の床よりも下にある。輻射暖房は対流暖房に比べて熱効率が高く、広い空間をより簡単に温める事ができ、室内温度の分布が比較的均等で、対流が自然で床の埃が上に舞い上がることもない。
輻射暖房形態は世界各地で見ることができる。ヨーロッパではフィンランドのスモークサウナがそれであり、ロシアにもペチカがある。韓国のオンドルと類似した暖房方式としては、中国の河北地域から東北地域で広く使われていた「カン(坑)」がある。カンは部屋の一部分だけがオンドルになっているもので大きな寝台くらいの大きさだ。このような輻射暖房方式と対流暖房方式を韓国のオンドルと比較してみると、その最も大きな差は、オンドルは暖房をする時に煙が部屋の中には生じないという点だ。

構造と原理
部屋の外側から火を焚いて部屋の中を温めるという点でオンドルは特異な暖房形式だ。そのため難しい作業が必要となる。火の熱気を外部に逃がさずにそのまま焚き口の中の空間に流れ込むように保存し、誘導しなくてはならないからだ。
暖房をする時に熱を集めることと煙を取り除くことを同時にするのは矛盾している。しかし、オンドルはこの矛盾を部屋の床下に集熱と配煙の機能を兼ね備えた設備をおくことで解決している。すなわち、床下に大きく3つの設備を置くのだ。アグンイ(焚き口)、コレ、煙突の入り口だ。床下に作られた火の通り道を「コレ」と言う。コレは、焚き口で点けられた火の熱気が、床に均等に伝わるようにするために並べて作られた空気口の穴だ。焚き口の火がコレを通りながら下から部屋の床を温め、煙は煙突を通じて外に出て行く。幅が20cmほどのコレは普通レンガを積み重ねて作るが、煙突に向かって傾斜し並行に伸びている。コレとコレを分けるレンガの壁を支持台として厚さ5~8cmほどの石板で床全体をおおい、その上に泥を塗って部屋の上下の空間を完全に分離する。この石板を「クドゥル」と言う。コレにそって炎が通り過ぎ、その炎の道に集まった煙がクドゥルの真下で渦巻きながら煙突のほうに流れていくことになる。
オンドルは暖房だけのためにある設備ではない。いくら炎をうまく扱うといっても焚き口は部屋の外側にあるので熱気が漏れるのは仕方が無い。それで部屋に隣接する台所に焚き口を据えて、炎からもれる熱気で調理をした。オンドルは熱を温存する機能に優れ、寒さが厳しい真冬の夜に一度火を焚くと、翌朝まで部屋の中の温もりが保たれた。よく出来たクドゥルだと薪5、6本ほど焚けば3日間温もりを維持できたという。智異山にある七仏寺の禅室亞字房は、一度に0.5トンの薪を燃やすことができ、そのように一度火を焚けば部屋の床と壁の温もりがなんと100日間も続いたという。

床を均等に温かくするためには、炎の熱気が伝わる「コレ」と呼ばれる床下に作られた火の通り道と「クドゥル」と呼ばれる床に敷き詰める石板の配置が何よりも大切だ。「コレ」は通常レンガを直線、あるいは扇型に置いて作られる。このレンガの上に石板の「クドゥル」をのせていくが、一般的に焚き口に近い方には厚い石板を、焚き口から遠くなるほど薄い石版を使う。

オンドルはこのように一度火をつけると少ない燃料でも長い間、その温もりを保つことができるが、火が消えて熱気が冷めると外部に露出した焚き口と煙突から冷たい空気が入りこみ、コレの内部に湿気がたまる。コレに湿気が長い間とどまっていると火をつけても炎の通りが悪くなり、より多くの燃料が必要になってくる。そのような短所を補うために、煙突側のクドゥル付近の適当な位置に壺を埋めてコレの内部にたまった湿気を集めた。壺にたまった湿気はコレ内部にまた火が入ればその熱気で蒸発する。それで暑い夏にも、梅雨の時にも朝夕、焚き口に火を入れて部屋の中だけでなく床下の湿った空気も乾燥させた。
昔は家で飼っている犬がときどき焚き口からコレの中に潜り込み真冬の夜の寒さをしのいだりした。朝になり何気なく焚き口に火を入れると、中で寝ていた犬が驚いて焚き口の中から飛び出してきたこともあった。そのため人々は焚き口に火をくべる前には棒のようなもので焚き口の中を叩き、中に何もいないことを確認してから火をつけた。

慶尚北道青松にある松韶古宅は1880年頃に建てられたもので、朝鮮後期の上流階級の家屋の典型的な形態をなしている。他の伝統家屋と同様にそれぞれの部屋はアグンイとつながっており暖房が可能だが、前方に開けたマル(床)は板張りとなっており暖房はきかない。

温水暖房の始祖

アグンイに火を入れると、炎は火の通り道のコレの中を伝わる際に床下のクドゥルを温めるので、部屋の中の空気の対流現象が起き、煙は煙突から外に出て行く。放射-伝導-対流-灰

オンドル文化が国家指定無形文化財になったのは、伝統的なオンドルが次第に消えていっているからだ。今日の韓国の住宅には、ほとんど焚き口はない。その代わりに温水ボイラーが入っている。炎の通り道となっていたコレの代わりに温水パイプを敷きつめて床を温める。規模の大きなアパート団地では、中央暖房方式で数百あるいは数千世帯に温水暖房を提供している。
オンドルからヒントを得て温水暖房を初めて作ったのは、意外にもアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトだ。近代建築の巨匠の一人である彼が韓国のオンドルと出会ったのは1914年の冬、日本の東京だった。
帝国ホテルの設計を依頼した大倉喜八郎は、日本の畳の部屋で寒さに震えていたライトをある部屋に案内した。彼はライトにその部屋を「コリアンルーム」だと説明した。そこは日本が景福宮から持ち出した、朝鮮の皇太子が居住していた資善堂だった。韓屋は木材と木材を組み合わせて建てる木造構造方式だったので、解体と復元が自由自在だった。ライトはそこで奇跡のような経験を下記のように述懐している。

「床に膝をついて座ったが、本当に言葉で言い表せないような心地よさを感じた。目に見える暖房設備もなく、これで暖房しているのだと分かるようなそんな物もなかった。それは本当に暖房しているかどうかの問題ではなく、一つの気候的な事件だった」

「気温が突然変わったようだった。決してコーヒーのせいではなかった。まるで春が来たようだった。私はすぐに体が温かくなり、また楽しくなった。 床に膝をついて座ったが、本当に言葉で言い表せないような心地よさを感じた。目に見える暖房設備もなく、これで暖房しているのだと分かるようなそんな物もなかった。それは本当に暖房しているかどうかの問題ではなく、一つの気候的な事件だった」-『Frank Lloyd Wright: An Autobiography』、「Gravity Heat」、1943年 増補版 「コリアルーム」でこの「気候的な事件」を体験したライトは、当時すでに実用化されていた電気ラジエーターの曲がりくねったパイプを広げて帝国ホテルの床に敷き詰めた。これが温水暖房のはじまりであり、以後ライトはいくつもの建築にこの方式を適用した。

治癒の空間
オンドル部屋は「治癒の空間」でもある。煙のない輻射暖房方式は蓄膿症や肺炎など気管支疾病を予防するのに役立ち、神経痛や関節炎の痛みの緩和にも大きな効果がある。よく風邪をひいたときに、オンドル部屋の暖かい焚き口近くに横になり、布団をかぶって汗を流せば、詰まった鼻も通じ、高熱も下がるという。またオンドルは、産後の妊婦にも卓越した効果があり、重労働で疲れきった身体もオンドル部屋でぐっすり休めば翌朝には体が軽くなる。
このような現象は、焚き口に点火したときに石と黄土から放射される遠赤外線が、人間の体の奥深くに熱を伝えて温熱治療の効果が現れるからだと言われている。遠赤外線は身体の免疫力を高めて自然治癒力を回復させる。また空気で伝わる熱よりも皮膚に直接あたる熱が血液の循環を助けるという原理でもあるが、現代式の温水暖房においてもオンドルの伝統的な治癒効果を発揮できるよう、科学的な実験と努力が続けられている。

ハム・ソンホ咸成浩、詩人、建築家

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