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2024 WINTER

西村の多彩なアートスペース

景福宮(キョンボックン)の西門・迎秋門(ヨンチュムン)にほど近い通義洞(トンイドン)と昌成洞(チャンソンドン)をはじめ西村(ソチョン)一帯には、多彩なアートスペースがある。非営利のオルタナティブ・スペースから現代アーティストの作品を紹介・販売する商業ギャラリーまで多種多様だ。

「ポアン(保安)1942」で開かれた2022年下半期の企画展『ウォーキートーキー・シェイキング』。ウォーキートーキー(トランシーバー)の特性から着想を得て、コミュニケーションの本質を探る展示。ポアン1942は2007年からアートスペースとして運営されており、写真、絵画、インスタレーション、映像など多彩なジャンルの実験的・創造的な作品に触れられる。
© コ・ジョンギュン(高政均)

青瓦台(チョンワデ、旧大統領府)に隣接した孝子洞(ヒョジャドン)の静かな路地に入ると、オレンジ色のレンガ造りの建物と青空との鮮やかなコントラストが目を引く。写真集専門出版社イアンブックスのキム・ジョンウン(金廷恩)代表が設立した複合文化施設ザ・レファレンスだ。「芸術と展示がある書店」を目指すザ・レファレンスは、その名の通り書店と展示スペースを組み合わせた造りになっている。地下1階とガラス張りの1階はギャラリーとして、2階はアートブックショップとして利用されている。

キム・ジョンウン代表がザ・レファレンスをオープンしたのは2018年だが、2007年からイアンブックスを経営してきた。そうした中で、多様なアイデンティティーの施設によって西村の芸術界が活気づけられる様を目にしてきた。

「10年かけて孝子洞にアートスペース(展示・発表の場)を設けることができました。これまで多くの変化がありましたが、それでも依然として西村は居住者中心の町だと強く感じています。入り組んだ路地に建築家やデザイナーの事務所、新進アーティストを紹介する展示スペース、アーティストの家などが隠れています。クリエイターが集まるコミュニティーのような場所だという点が、何よりも気に入っています」。

キム・ジョンウン代表が言うように、西村は様々な分野のアーティストが活動しているので、アートインフラも整っているというわけだ。

地元の古株

「土地にも気運というものがあるようです。2007年にまるで申し合わせたように、西村を代表する施設が通義洞と昌成洞にいくつもオープンしました。当時、展示スペースを探していた私も、ポアン(保安)旅館を見つけました。運命的な出会いでした」。

ポアン1942のチェ・ソンウ(崔盛宇)代表の言葉だ。ポアン旅館と周辺の建物を買った時は、新しく建て替えるつもりだった。だが、雨漏りのする天井をはがしてみると、切妻屋根の裏に「昭和17年(1942年)

5月3日」と書かれた棟木銘が現れた。詩人ソ・ジョンジュ(徐廷柱)の自伝『天地有情』によって、若き日のソ・ジョンジュが他の文人と起居を共にしながら伝説的な詩の同人誌『詩人部落』の創刊号を作った場所だと知った。

旅館としての寿命が尽きたポアン旅館はポアン1942という名に変わり、約20年にわたって様々な文化イベントを開催する複合文化施設として運営されている。キュレーターチームの企画としてビジュアルアート展を開催し、2013年から若手アーティストのインキュベーションプログラム「ドゥーラック(DoLUCK)」を続けており、茶文化の現代的な価値を見つめ直す「クラフト・ティー・フェスティバル」を実施し、アートフェア「フリーズ・ソウル」のフィルムセッションを行うなど多方面にわたっている。

複合文化施設ザ・レファレンスの2階にある書店。本を通じた芸術体験プラットフォームを目指しており、国内外の写真家の作品集や写真関連書籍が充実している。
© チェ・テウォン

多彩で柔軟な活動

ファクトリーは2002年に八判洞(パルパンドン)でオープンした後、2005年に西村に移転した。2017年に15周年を迎え、第2シーズンを始めるという意味でファクトリー2に名前を変えて、新しいスタイルで運営されている。皆がそれぞれに取り組んでいるテーマからスタートし、芸術家、デザイナー、建築家、企画者、音楽家らとのコラボレーションを通じて展示、出版、パフォーマンス、ワークショップなどを行っている。そのため、ファクトリー2は芸術企画の学校にもなり、様々なジャンルのクリエイターが制作した限定作品のショップにもなり、一緒に本を読んで語り合う閲覧室にもなるなど毎回姿を変える。鑑賞と経験のボーダーレスな交感を目指すファクトリー2の多彩で柔軟な活動は、好奇心を強く刺激して自らをリニューアルしていく。

オルタナティブ・スペース(新しいスタイルの多用途な展示場)の元祖といえるサルビア茶房(タバン、喫茶店)は、1999年に仁寺洞(インサドン)でオープンした後、2011年に西村に居を移した。その後、アーティスト会員の純粋な寄付による会員制になり、名前もプロジェクトスペース・サルビアに変えるなど変化を遂げてきた。これまで20年にわたって実験的な芸術をサポートする非営利のアートスペースとして、芸術界の多様化に大きく貢献している。インディペンデント(独立系)キューレーターのチュ・ソンア(秋成妸)氏は、サルビアについて「アーティストがさらに発展できるように展示によって機会を与える重要な独立系アートスペースの一つ」だと評し、次のように述べている。

「1990年に初の展示会として、ユーモラスでグロテスクな彫刻を手がけるハム・ジン(咸進)の個展を開催しました。その後パク・ミナ(朴美娜)、ソン・ドンヒョン(孫東鉉)、ウ・ハンナ(禹ハンナ)、チョン・ソジョン(全昭侹)など、現在よく取り上げられるアーティストの初期の作品が、サルビアで何度も紹介されています。特に、絵画など伝統的な分野のアーティストの芸術世界をどのように展示すべきか、思慮深いアプローチが素晴らしいですね」。

ギャラリーウォーク

西村は「画廊街1番地」と呼ばれる三清洞(サムチョンドン)と地理的に近いので、商業ギャラリーも多い。美術館や非営利のアートスペースとは違って、ギャラリーは同時代のアーティストが表現する現在進行型の芸術世界を共に構築し、それを展示という特別な成果として紹介・販売することで、アーティストが活動を続けられるようにサポートしている。

中でも、リアンギャラリーは早くから西村に居を構えたギャラリーの一つだ。長年アートコレクションを行ってきたアン・へリョン(安恵玲)代表は、2007年に近代美術の発祥の地と呼ばれる大邱(テグ)でアンディ・ウォーホル没後20周年記念展を開き、ギャラリーを始めた。2013年にはソウルの昌成洞に支店を設け、地域の画廊を超えて韓国を代表するギャラリーへと成長した。同ギャラリーは、アレックス・カッツ、ダミアン・ハースト、エリザベス・ペイトンなど世界的なアーティストの個展を開く一方、ナム・ジュン・パイク(白南準)、イ・ガンソ(李康昭)、イ・ゴニョン(李健鏞)ら韓国の代表的なアーティストの作品を紹介するなど意欲的に活動してきた。

リアンギャラリーで2020年12月~2021年1月に行われたナム・ジュン・パイク(白南準)の展覧会。ナム・ジュン・パイクの幅広い作品に触れられるように企画された。リアンギャラリーは国内外の著名アーティストの展覧会を持続的に開催することで、同時代の芸術への理解を促している。 リアンギャラリー提供、写真:イ・シウ(李始雨)

スペース・ウィリング・アンド・ディーリングは2012年にオープンした後、2019年に昌成洞に移転した。キム・インソン(金仁宣)代表は、地理的な理由で西村を選んだと言う。

「それまでいた方背洞(パンべドン)は周りにギャラリーが少ないので、展示会のオープニングやパフォーマンスなど特定のイベントの時にだけ観客が集中する傾向がありました。ですが西村は、景福宮と三清洞が近くにあり、周りに同じような規模のギャラリーも多いので、普段から予約なしで訪れる人がたくさんいます。アーティストの芸術世界を広く知ってもらうという究極的な目的にもふさわしい場所だと思います」。

キム・インソン代表は2022年から商業ギャラリーの本格的な経営を始め、ナム・ジヌ(南真優)、イ・セジュン(李世準)、チャン・ソンウン(張晟銀)など活躍が期待される若手アーティストを専属として紹介してきた。片道3車線の道路沿いの建物の2階にあるギャラリーでは、様々なジャンルで多彩な経歴を持つアーティストが、その問題意識に実験的にアプローチした10ほどの個展・グループ展が一年を通して開かれている。展示ごとにアーティストの創作活動に関するトークショーを実施し、展示の企画や実務を紹介するカリキュラムを設けるなど多角的に取り組んでいる。

スペース・ウィリング・アンド・ディーリングで今年3月に開かれたクォン・ヘソン(権恵星)の個展「傘のない人たち」。東洋画と西洋画の融合を試みた展示。スペース・ウィリング・アンド・ディーリングは韓国の有望な若手アーティストを発掘し、多層的なプログラムで支援している。 ファクトリー2提供、写真:キム・ダイン(金多仁)

2019年に龍山(ヨンサン)でオープンして2022年に西村の楼下洞(ヌハドン)に移転したドローイングルームのキム・ヒジョン(金希貞)代表も、西村を理想的な場所だと述べている。

「ドローイングルームとは、邸宅の応接室のことです。名前の通り、芸術と日常が共存する空間を目指しています。自然と日常が調和し、芸術的な暮らしを営む西村の落ち着いた雰囲気が、私たちの目指すところと一致するように思いました。西村に個性とこだわりのある小さな店が集まって長く続いているのも、同じような考えがあるからではないでしょうか」。

キム・ヒジョン代表は「新進アーティストを発掘して初の個展を開き、芸術市場への第一歩を踏み出せるようにサポートしたい」と、オープン当初から新進アーティスト支援プログラムに力を注いできた。このようなアートスペースのおかげで、西村は韓国の芸術界を多様化する重要な拠点になっている。

昌成洞実験室。多角的な観点で文化的な実験を模索するギャラリーで、物理学者のイ・ギジン(李基鎮)西江大学校教授が運営している。イ教授は4人組のガールズグループ・2NE1のリーダー、シエル(CL)の父親としても有名だ。
© チェ・テウォン

アン・ドンソン安姛宣、美術ジャーナリスト

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