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2017 SUMMER

タコグロテスクな外形ソフトな食感

タコは昔から祭祀用の供え物や祝いの宴に使われる高価で尊い海産物とみなされてきた。しかし最近では、食材の世界化によってタコ料理がより多様に、そして大衆化されつつある。

味も魅力的で栄養も豊富なタコ料理の核心は何か。茹で具合に味のほとんどすべてがかかっていると言っても良いほどだ。タコは焼くときにもたいていまず先に茹でてから焼く。うまく茹でることができれば、その日の料理は成功したも同然だ。

より柔らかく茹でるノウハウ
タコは茹でる前にまず丁寧に洗う必要がある。ヌメリのある身は塩で隅々まで揉んだ後、塩を洗い流す。特に強力な吸盤などはその中まで丁寧に洗わなければならない。しかし荒塩で長い時間揉みすぎると身に傷がつき、塩辛くなりすぎるので砂糖で揉むべきだと助言する人もいる。また小麦粉を使うこともある。
地中海沿岸のスペインとポルトガル、そしてギリシャでは茹でる前にもう一度処理をする。洗濯機のような形をした「タコ洗い機」に入れて、洗濯をするように思いっきり回すという。または肉叩き用のハンマーでタコの身全体を隅々まで叩く。ギリシャの海岸地方の人々は岩にタコを容赦なく叩きつけて身を柔らかくする。
韓国ではタコを柔らかく茹でるために必ず大根を使う。大量の大根をおろし、タコをそのなかにつけて揉む。叩くこともあるが、茹でるときにも必ず大根を入れる。大根汁はタコの臭いを消し、身を柔らかくすると知られている。一方、干し柿を入れて茹でるとタコが柔らかくなるとも言われている。
日本では大根と一緒に緑茶や小豆をひとつかみ入れる。イタリアではワインのビンのコルクをいれてタコを茹でる。干し柿、緑茶、小豆、そしてコルクに染み付いたワインには、すべてタンニン成分が含まれている。これがタコの身に作用するもようだ。
五大洋に生息するタコの種類は300種類を越えるという。その中で韓半島の沿岸で獲れるのは小さなタコのマダコ(Octopus vulgaris)と大きなタコのミズダコだ。この2種類しか獲れない。その大小のタコは干すとどれも赤くなりピムノ(血タコ)と呼ばれている。また皮を剥いて白くなるように干したものは白タコとも言う。
東海沖で獲れるミズタコは、そのまま大きくなれば重さが50kg、脚の長さが3mにも達するという。マダコは南海岸の陸地近くの浅瀬の岩の隙間にいる。大きくなっても重さは3.5kgほどにしかならない。タコは丸く大きな頭(実際は内臓の入った袋だ)と短い胴体(ここに頭と目がある)、8本の脚からなる。韓国と日本はタコを残らず食べつくすが、地中海沿岸の国々では頭は切って捨ててしまう。

大切に扱われる茹でタコ
韓国人にとってタコ料理と言えば、よく茹でたタコを薄く切り、酢コチュジャンをつけて食べるタコのスクフェ(刺身)を連想する。最近ではフィリピン、インドネシア、モロッコ、中国から輸入された茹でた冷凍タコを解凍したものが多い。韓半島の沿岸ではどんどんタコが獲れなくなり、それだけ値段も上がっているからだ。とにかくタコは養殖が難しいので、たとえ国籍が多様化しようともみんな天然物だ。

タコのスクフェは韓国人が最も好んで食べるタコ料理だ。タコをよく茹でて薄く切り酢コチュジャンに付けて食べる。

慶尚北道地方では祝いの宴や祭祀の供え物として、マダコを丸ごと一匹茹でてそのまま出す。特に両班の故郷として知られている安東では、タコは祭祀や来客があるときには必ず出るくらい最高の食材だといわれている。ただし、祭祀の後で供え物のワラビのナムルとタコを一緒に食べるのは、食べあわせが悪いのでタブー視されている。
ミズダコを干したピムノ(血タコ)を使い、いろいろな形を作る「ムノオリム、ムノジョ(文魚條)」も儀礼上の飾り物として大切にされてきた。干したタコを甕に入れておいて柔らかくしたあと、よく切れる工芸用の刀で菊の花や孔雀のような形に精巧に切り取っていくのだが、たいていこの仕事は男性の役目だった。しかし今や、この伝統を受け継ぐ家はほとんど無くなってしまった。慶尚道と全羅道では祭祀の供え物の汁料理にマダコを切って入れ、深い味を引きだす。また妊産婦のためのお粥の材料としても大切に扱われている。済州島の「タコ粥」は潜りを前にした海女たちの栄養食でもある。米を炒め、そこに臼でついた生タコを入れて炊いた後に、タコを一度取り出し細く裂いてからまた入れて炊く。タコの皮の赤い色が粥をピンク色に染め、タコの噛み応えのある感触が限りなく柔らかくなるという。全羅南道麗水地方ではマダコをきれいに洗い、あまり熱くないお湯に2時間ほどつけておいてから、いろいろな調味料を入れたタレに一晩漬けて蒸す「ピムノ蒸し」が高級タコ料理とされている
そのほかに、薄く切ったタコのスクフェにキュウリを入れて、いろいろな調味料であえた「タコの刺身和え」や、タコのスクフェを日本式の味付けで煮た「タコの煮付け」なども茹でタコから派生した料理だ。
スペインガリシア地方の小都市メリデにあるプルペリア・エセキエル(Pulperia Ezequiel)という食堂では、韓国人観光客の姿も目にする。彼らは大きなリュックを背負い長い道のりを、歩き疲れた足を引きずりながら食堂に入ってくる。「サンティアゴ巡礼の道」を歩いてきた人々だ。そして食堂に入ると彼らはこう叫ぶ。「ポルポ、タコ!」。スライスした茹でタコにオリーブ油と塩、そして真っ赤な若干辛みのあるパプリカの粉がたっぷりかかったスペイン式のタコ料理を注文しているのだ。

慶尚道と全羅道では祭祀の供え物の汁料理にマダコを切って入れ、深い味を引きだす。また、妊産婦のためのお粥の具材としても大切に扱われている。済州島のタコ粥は潜りを前にした海女たちの栄養食でもある。

多様な効能の薬材
良い食材のほとんどがそうであるように、タコは薬の材料としても使われる。昔、民間療法として、痔で苦労するときにはタコの墨で患部を拭き、できものや凍傷があるときには、タコを茹でた茹で汁で拭くと良くなるとされた。また、牛肉を食べて食あたりしてしまったときには、タコを茹でた茹で汁が効果があるとされた。
そういえば、最近またタコが注目されているが、それは「タウリン」成分のせいだ。タウリンはアミノ酸の一種で、血管疾患やアルツハイマーの予防に効果があるとして知られている。干したタコやイカに見られる白い粉がタウリンなのだが、軟体類の中ではタコが一番多く含んでいるという。

タコ料理で有名な店

全羅南道の儀礼飲食匠ソ・ヨンギさんが菊花模様に切ったムノジョ(文魚條)。干したピムノ(血タコ)をいろいろな形状に切ったムノジョ。またはムノオリムは儀礼床の飾りとして使われた伝統食だ。

1955年に嶺東線が開通し、江原道の港と慶尚北道の内陸が鉄道で結ばれた。その時から東海で獲れたタコを茹でて、嶺東線に乗せて終着駅の栄州に送り始めた。常温の往復列車に乗せられて行く間に茹でタコは若干熟成し、風味が増した。そのために栄州タコがなぜか美味しいという噂がたった。しかし、冷蔵流通が普遍化した最近では、東海岸から運んできた生のタコを茹でたあと、若干熟成させて売っている。栄州市場の中の「ムックホ・ムノチブ」の茹でタコが有名だ。
ソウル新沙洞にある「サンホ」という店のタコのスクフェは、特に柔らかく香りも新鮮だと評判だ。慶尚南道馬山から仕入れたタコをまず圧力釜で10分間ほど茹でてから、さらに蒸してその柔らかさを増しているという。タコを茹でる際に緑茶の粉と大根おろし、そしてタコの内臓を一緒に入れるのもこの店だけの秘法だという。
ソウル駅三洞の「コレブル」が出しているタコのスクフェは、表面に若干火が入っているのが特徴だ。中まで火が通っていないので、爽やかな生臭さが残っている。昆布と大根を入れたお湯にタコを入れたり、出したりを繰り返しながらゆっくりと表面だけに火を通すのだという。主人の話によれば、慶尚北道盈徳から仕入れているミズダコを使っているという。

ソル・ホジョン薛湖静、食材コラムニスト

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