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2021 SPRING

韓国版 「クリーチャー」の 進化

ウェブ漫画原作のネットフリックス配信ドラマ『Sweet Home-俺と世界の絶望-』に対する観客の反応が熱い。充実したストーリー性と完成度の高い映像で韓国版「クリーチャー(アメリカのSFホラー映画)」の新しい領域を切り開いたという評価も受けている。国内はもちろん、世界の多くの観客まで魅了したこのドラマの魅力とは、一体何なのだろうか。

20 2 0年1 2月にネットフリックスで全世界に配信されたドラマ『Sweet Home-俺と世界の絶望-』(全10 話)の人気が、連日話題を呼んでいる。公開されてたった4日で香港、シンガポール、台湾、マレーシア、ペルーなど13カ国でデイリーランキング1位を記録し、ネットフリックス人気ランキングが表示される70カ国以上の国ですべてトップ10入りした。世界ランキングでは3位まで上がっている。韓国で初めて制作されたクリーチャーものであると同時にR-18(18歳未満は入場・鑑賞禁止)の指定を受けるなど、不利な条件下でのグローバルエンターテインメント・コンテンツとしては、画期的な成果を収めた。

『Sweet Home-俺と世界の絶望-』の成功の背景には、これまで築いてきたK-コンテンツに対するネットフリックスの信頼があった。キム・カンビによる原作ストーリーにファン・ヨンチャンのイラストで出来上がった同名の原作ウェブ漫画は、2017年10月から2020年7月まで連載され、既に9カ国語に翻訳・配信されて、世界累計閲覧数12億回という記録を打ち立てた。この作品に先立って公開されたドラマ『キングダム』が、ウェブ漫画に登場する様々なモンスターの映像化や韓国版「アポカリプス(Apocalypse:新約聖書のヨハネ黙示録による世界の終末)」 に対する期待をより一層膨らませたのである。その他にも、映画『パラサイト 半地下の家族』が第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドール賞を受賞し、続いて第92回アカデミー賞では作品賞をはじめ4部門で賞を受賞し、K-コンテンツの地位を一層高めている。

ドラマ『Sweet Home-俺と世界の絶望-』は、このようによく耕された土壌の上で、タイムリーな登場を果たした。ネットフリックスは計300億ウォンの莫大な制作費をかけ、公開前から大作の出現を予告し、優れたCG 技術やセットのクオリティなどで、観客が抱いていた「観る楽しみ」を十分に満たしている。

指揮棒を振ったのは、テレビドラマ『ミスター・サンシャイン』で切なるストーリーと美しい映像美を立証したイ・ウンボク監督。イ監督はインタビューで「普段はクリーチャーものはあまり観ない方だが、原作のウェブ漫画を読んだ瞬間、韓国ドラマの素材を拡張するという意味で挑戦したくなった。グローバルな素材としても適切だと思った」と述べている。

作:キム・カンビ絵: ファン・ヨンチャン原作、ウェブ漫画の韓国ドラマ『Sweet Home-俺と世界の絶望-』が、2020年12月18日にネットフリックスで配信開始された。作品の公開からわずか4週間で世界2200万の有料購読数を記録。配信されたシーズン1は10話で構成され、ランニングタイムは計515分

欲望の感染
このドラマのストーリーは、引きこもりの高校生ヒョンスが一人で引っ越してきた「グリーンホーム」という集合住宅から始まる。ヒョンスをはじめとするそのマンションの住民が様々な怪物と対抗するという内容で、自分だけ生き残ろうとする者、我を犠牲にしてでも前に進もうとする者たちが、増え続ける怪物たちと死闘を繰り広げながら真実へと近づいていく。

ドラマの序盤では、正体不明の原因によって人肉を貪る怪物が登場する典型的なゾンビ・アポカリプス(ゾンビ増殖による世界終末)を標榜する。孤立したマンションの建物 を最後の砦にして繰り広げられるサバイバル闘争も、これまでの見慣れたゾンビ映画とあまり変わらない。しかし「怪物に噛まれた人が再び怪物になってその数を飛躍的に増やしていく」というゾンビの感染公式は、この作品では通用しない。

当初からこのドラマでは、人間がウイルス感染のような疾病によるものではなく、何かによって突然自我を失い恐ろしい怪物と化す。その理由は、各々の欲望と緊密に関わっている。その形も個々人の様々な陰険な内面を具現化したものである。

患者衣を着たまま触手を伸ばして吸血する怪物や筋肉質の体でしきりに「プロテイン」と叫ぶ怪物などが、このような原因を証明していて、ゾンビ・アポカリプスとは一線を画す未知の恐怖として作動する。イ監督も「欲望によって怪物化するという発想そのものが非常に斬新で、それを映像で表現したいという思いが強かった」と述べている。

『Sweet Home-俺と世界の絶望-』に登場するクリーチャーの動作の研究には、振付師のキム・ソルジンが参加した。彼は動物の本能的な動きからアイデアを得たという。シーズン1の2話で主人公ヒョンスの家に侵入するレンコン怪物

主人公ヒョンスは、社会との交流を遮断し、部屋の中に引きこもっていたが、危機に瀕したみんなを救うために部屋の外へと踏み出す。シーズン1の第3話でヒョンスが武器を手にレンコン怪物をやっつけるために進撃するシーン。

作品に登場する国語の先生チョン・ジェホンは、穏やかで物静かな性格とは裏腹に、剣道を修練した経験を生かし真剣を武器にクリーチャーと戦う。シーズン1の第3話で彼は、プロテインクリーチャーを誘い出すために飛び込んでいく。

『Sweet Home-俺と世界の絶望-』では、登場人物たちが感染ではなく、個人の欲望によって怪物へと変わってゆく。シーズン1の3話でグリーンホームの住民たちが、テレビを通じて生中継されている大統領の談話に驚いている。

利己的な人々の狭間で、利他的な人は誰かのために自分のすべてを投げ捨て、集団のために自らを犠牲にする。そのようなプロセスを通過し初めて成長するのである。

韓国的情緒の家族ドラマ
人間は誰でもいつだって怪物になりうるため、残された人々が築いた戦線は、むしろ内部から徐々に崩れていく。生存者たちは怪物化する可能性のある者を排斥し、仕方なくお互い疑心暗鬼になりがら相手に矛先を向ける。そうすることで、人間として生き残ろうとする人々の信念を絶えず揺さぶり、試すのである。

主人公のヒョンスは、交通事故で家族を亡くし、天涯孤独の身となった人物である。校内暴力の被害者になり自ら命を絶とうとした彼が、怪物と化す途中の状態のまま、誰よりも弱いはずの自我を引き締め、他人を救うために動き出す。後半に進むにつれ、観客は徐々にこのドラマが単なるクリーチャーものではないことに気づく。利己的な人々の狭間で、利他的な人は他人のために自分のすべてを投げ捨て、集団のために自らを犠牲にする。そのようなプロセスを通過し初めて成長するのである。

このドラマでは、十数人の登場人物それぞれにそれなりの事情を設定し、生きている人間として彼らを描こうとしている。この人たちが生存をかけて最後まで力を合わせて協力する過酷なプロセスは、当然、この作品の核心となる。「観客に本当に伝えたかったのは人間に関することである。果たして怪物とは何かという問いを投げかけたかった」というイ監督の話も同一線上にあると言えるだろう。作品の中のセリフがそれを直接的に表現している。「目に見えるものがすべてではない。人間も、この世も、神の御心も (I realized that what you see isn't everything – people, the world and god's will.)」

作品に登場する人物たちが一つの目標に向かって進むプロセスは、各々の人生ドラマと人間性を応援する作品のテーマとも完璧につながっている。韓国ドラマ特有の「家族志向型連帯」さえも十分に共感できるものとして描き出された背景である。

緊張感と快感
にもかかわらず、ゾンビやアポカリプスのジャンルならではの面白さもまた、ほかの作品に引けを取らない。

生々しいホラー感を観客に伝えるために、イ監督が1年間ハリウッドの特殊効果チームと膝を突き合わせて工夫した結果だ。俳優たちの実際の演技を撮影した後、コンピューターグラフィックを駆使して怪物を作り上げ、振付師のキム・ソルジンが怪物の動きを構想した。緊迫した状況の変化と緻密に組まれたアクションが、緊張感と快感をエスカレートさせる。

玄関のドアを叩きながら絶叫する女性がぞっとするような姿と化し、マンションの正門玄関に現れた怪物は、長い触手を伸ばして人間の生き血を吸う。上顎骨が切断され顔半分のまま聴覚だけをたよりに建物内を歩き回る怪物や巨大な筋肉質の怪物は、ことさらに脅威的な存在として登場し、様々な形態のスリルを提供する。

巨大な眼球を形状化をしたり、クモを連想させるなど、怪物の形にはそもそも定型化された枠組みがない。様々な外見に基づいたそれぞれの習性のせいで、その怪物に対応する人間たちもまた、その都度臨機応変に対応するしかないので、サスペンスは自然と最大化する。特に、作品後半で繰り広げられるもう一つの人間集団との戦いは、観客の感情が極限まで引き上げられる。

こうして『Sweet Home-俺と世界の絶望-』は、廃墟に近い古びた集合住宅であるマンション内にあらゆるドラマを吹き込み、恐怖と快感だけでなく人間の欲望、その中で芽生える絆などすべて盛り込んだ「ヒューマンスペクタクル」として誕生した。K-コンテンツの前期と後期を区分する基準として跳躍したのである。

カン・サンジュン姜尚俊、大衆文化コラムニスト

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